2008.10.3

2008 SLOW TRIP Vol.024「 苫小牧〜北広島〜札幌〜幕別〜池田〜釧路 : DRIVING IN MY CAR Part.1 」

遅い夏休みのこと。

予定もないけれど数日前から故郷の北海道へ帰らなければいけない予感にあふれていたんだ

「仲間に会わなければ」

「家族に会わなければ」

 

2008年9月19日(金曜日)

「帰ろう」

いつもは飛行機で新千歳空港、そこから釧路まで特急列車で帰るのだけれど

今回はフェリーにした

僕は3歳くらいのときにフェリーに乗ったきりだったので興味深かったしね。

乗船して一言

「ずいぶん立派なんだなぁ、。」

飛行機で移動するより時間はかかるけれどゆったり旅が出来そうだな

デッキの上探索

迫力あるなぁ

仙台港を離れた

仙台港を20:00出発し翌日の10:45分に苫小牧港へ着予定

寝て起きたら北海道ってやつさ

海上に出てもしばらくの間携帯電話が使えた

JJと静香ちゃんとスピーカーフォンでお話しながらアルコールを口に含んだ



2008年9月20日(土曜日)


いつの間にか眠ってしまったようだ

個室のカーテンを開けると船首が

晴れ渡った空と海の向こう側には苫小牧港がうっすら見えた

ちょっとデッキへ出てみようか

犬の散歩している乗客がいた

「オハヨー」

なんだか気持ちがいいなぁ

晴れて良かった

フェリーの醍醐味ってあるね

船内に戻るとピアノ奏者が最後の曲の演奏をはじめるところだった

奏者「それではもうすぐ苫小牧港へ到着しますのでみんなで青い山脈を歌いましょう!」

なんだか笑いがこみ上げて来たので部屋へ戻った

苫小牧港に着いた。

車両もそう待たされることもなくスムーズに下船し

他の車も解き放たれたかのように方々へ消えた

僕は同じ方向へ走るすばしっこいV6のVWをつかまえ北広島市へ向った

うーん、やっぱり北海道は走りやすいな

ブロロロロロロロ!!! エンジン快調!

千歳、恵庭をバックミラーにし、北広島へ突入

ミュージシャン仲間ミツイヒロキの職場へ立ち寄った。

FALKENのツナギを着て親父さんの自動車工場で働くミツイヒロキが男らしく格好良かった

「それじゃ夜会おう!!」

仕事の邪魔をしてはいけないので早々と次の目的地へ向った。





白石区の友人宅マンションに着いた。

今回の旅、車にはギブソン・ギターを積んで来た。

今月の初め札幌の友達の奥さんが網膜剥離で手術を繰り返していると知らされた。

札幌に僕が住んでいるときにふたりはLIVEに来てくれて昔から僕の音楽を気に入ってくれていた。

今回の入院のベッドの上でも送ったCDを聴いてくれていたらしいけれど

僕は目の前で歌ってあげたかったんだ。


そしてふたりの前で何曲歌ったろう、

「次、この曲歌って!」

リクエストされるままに歌い続けた

会って話したとき、治療を続けても良くならず自棄になっていた感があった。

友達は妻のそれに悩んでいた


けれど帰り際には

様々な可能性を信じてしっかり治療に専念すると笑って約束してくれた。

行って良かった!

頑張れ TOMOちゃん!

次に向ったのは故郷釧路時代からのダチ、タカヒロ宅

今年4月に家を建てたと聞いてたので是非泊めてもらいたかったんだ(笑)

ひゃあ〜ストリートビューでは見ていたけれど実物はもっと立派だなぁ!

夕食は琴似の「鳥太郎 本店」懐かしいなぁ

途中ミツイヒロキと合流した

タカヒロ長男、リョウタが踊ってくれた!

かわいいなリョウタは!

タカヒロ宅へ戻って新居探索

リョウタも部屋を紹介してくれた

リョウタの部屋も良い部屋だね〜

リョウタはすれ違う車の名前を全て当てられるほどの自動車好き。

だから幼い頃の僕とかぶるんだ。

KENちゃんのGT-R好きのリョウタだったけれど

今の愛車の1/18モデルをプレゼントした。

気に入ってくれたようだ

リョウタとミツイヒロキの Wii テニス対決!

タカヒロと僕はタカヒロの好きな「根室の地酒」でヘベレケ状態

僕はリョウタとのWii ボウリング対決でコップをひっくり返してさっそく新居を汚してしまった!

ゴメンナサイ、

オヤスミナサイ、、




2008年9月21日(日曜日)

クックドゥドゥドゥ!

カナコさんが朝食を用意してくれた

とっても美味しかった!

ミツイヒロキはこのトーストに塗ったバターを後日探しまわったそうだ

それほどスペシャルな味だった!

「さぁリョウタ、そろそろKENちゃん出発しようかな」

「リョウタも釧路のおじいちゃんとおばあちゃんに会いに行かないかい?」

カナコさんとリョウタのリクエストで

ふたりを乗せて近所をドライブした。

リョウタ、僕のテンガロン良く似合うじゃないかい!

大きくなったらハットもアルファもあげるからな!

またねー!!

故郷の道東へ向う途中、せっかく札幌に立ち寄ったんだからと時計台へ。

しかしこの街をずいぶん縦横無尽に走り回っていたのに、5年ぶりだ。

なんだかどの景色も「懐かしい」と感じさせるほどだった



そして国道274号線に乗り、次の訪問地、十勝の幕別を目指した

母の妹 加代ちゃんがお昼をごちそうしてくれると言ってくれていたんだ。

12:30頃着くといいながら、押しに押して14:30過ぎに着いてしまった

ゴメンよ!

幕別の加代ちゃん宅へ着くとワインで有名な池田町で食事をごちそうしてくれると言うので向った

裏道を通ると30分とかからず池田に着いた

知らない裏道だったので得した気分だ

加代ちゃんお気に入りの、写真を撮って送ってくれる森林公園の場所もわかった

池田「ワイン城」

えっ!? ワイン城で食事なの〜! 贅沢〜

さすがに城からの眺めは良いね

池田のかわいい町並みが見渡せた

生ハムを目の前でスライス

美味しかったなぁ

黒毛和牛のステーキ美味い!

腹ぺこ我慢して走り続けた甲斐があった

プレミオを新車で買ったばかりのご主人と談話

KEN「サス、ビルシュタイン入れて3cm落とした方がいいっすよ」

「やっぱりそう思う?」

加代ちゃん夫婦はここから3時間かけて佐呂間の民宿へ蟹を食べに行くと語った

今から? タフだなぁ!

「ごちそうさまでした!」

ワイン城の敷地に原料の葡萄があった

さぁ、太陽も随分下がって来たよ

ここから故郷「釧路」まで2時間もかからないだろう



そして

18:00 釧路へ入る直前、母へ電話した。

「お父さん、まだ起きているのかい?」

答えられない母

僕はこの時点で父の入院の事実を知った

心配かけまいとする親心?

冗談じゃない

入院先へハンドルを切った

罰だカメラにおさめてやる!

"胃癌"

父はすでに胃袋の2/3を摘出する手術を終えていた

「なんともねぇ」

「たいしたことねぇ」

と笑うが

なんだいその"か細い"老人のような声は?

「KENには言うな」

父本人の意思なので

身内は一切僕に知らせない

遠くにいて何が出来るわけでもないが、

それはない。

しかし、今僕は

父の入院する病院にいた。





つづく


KENICHI KIKUCHI "2008 SLOW TRIP Vol.024"