2008.11.13

2008 SLOW TRIP Vol.029「 久高島 : THE GOD ISLAND Part.3」

久高の酋長との思いがけない出逢い

どんな旅も結局は音楽の旅になる

旅を続けよう

2008年11月1日

2008年沖縄 「本当の唄を探して」篇  第3話

沖縄本島の東に位置する周囲約8kmの小さな島でのお話 #3

酋長に別れを告げ、来た道を少し逸れながら歩いたら

島の小中学校の運動場に出た

芝生の部分にテントをはるキャンプ場としても利用されているようだが

誰もいなかった

それにしても磯から離れた場所にもイソヒヨドリが多い

ファインダーをのぞいていると女の子の声がした

「ケンイチさーん! パンが焼けましたよー!」

宿のさおちゃんだ

そうだ、昨夜の唄のお礼にと僕の為に手作りパンを焼いてくれると言ってくれていたんだ

KEN「ありがとーう! 今から戻りまーす!!」

僕も大きな声で答えると

さおちゃんはまた赤い自転車を漕いで宿まで戻って行った

畑仕事中のオジーやオバーと挨拶を交わしながら宿を目指した

こんなところにもいたのね

オクラ?

オクラを調べると「以前はハイビスカス属に分類されていたが、現在ではトロロアオイ属に分類されている」とある。

ハイビスカスはそこら中に咲いている

さおちゃんの手作りパンを早く食べたいけれど寄り道したくなる光景ばかりなのさ

早く戻らなくちゃね

さすが台風に耐える造り

そして屋根のシーサー

2年前に訪れた竹富島を思い出した

「ただいまー!!」

宿に戻るとさおちゃんが画用紙いっぱいに絵を描いていた

前に宿に泊まった絵描きさんから"思ったままに自由に描く素晴らしさ"を教わって以来

描き続けていると言った

昨日描いた絵を見せてもらったよ

何を描いたかはわからないと言うけれど

絵からさおちゃんの心が綺麗で解き放たれようとしているように感じた

そして焼けたばかりの手作りパンをいただいた

とってもうれしかった!

うひゃ! かわいい

食べるのもったいない

こちらは大人向けと言われた(笑)

どちらも中にはサワさん特製のアンコが入っていてね

甘さ控えめでとっても美味しかった!

ありがとう、さおちゃん!!

今日の絵も完成したようだね

そして、

とっても素晴らしい出逢いと経験が出来たことに感謝して

小やど SAWA を後にした




僕はまたでっかいバッグと白いギターケースを抱え港の方へ歩き出した



もうすぐ13:00だ

その時間にここのフェリー待合所で待ち合わせをしていた

僕は久高島のことを正しく理解したくて

島の人にガイドをお願いしていたのだ

待合所には久高島で作られたイラブーの薫製が売られていた

王宮貴族の最高級食材だったイラブー

そしてガイドの島の人がワゴン車で来てくれた

さぁ、久高島を一周する旅に出よう






つづく

KENICHI KIKUCHI "2008 SLOW TRIP Vol.029"