2008.10.1

2008 SLOW TRIP Vol.023「 福島県微温湯温泉旅館二階堂 : AFTAR CONCERT Part.2 」

暗くなったら眠り、明るくなったら起きる。

そんな本来の姿に戻された僕らのスロートリップ福島篇 パート2

2008年9月16日(月曜日)

誰も湯にいないだろう時間に湯を目指すのが好きだ

眠りにつく前にセットされたはずの静香ちゃんの目覚ましは鳴らなかった

変わりに僕が朝4:00にふたりを起こした

山奥の宿だけあってこの時期朝晩は冷える

ぬる湯に浸かったときに身体が震えてしまったほどさ

男湯はJJとふたりで貸切。女湯も静香ちゃんひとりで貸切だったと言う。

JJとふたりだから、遊んだねぇ、子供みたいに

2時間も浸かってただろうか

湯から上がると太陽さんも上がってた

「よい天気だね」

愛車の上の落葉が秋を感じさせる

ロボット達も寒さに身を寄せ合っててね


Photo by 静香

ハクビシンも目覚めてた

日本における最初の生息報告は1945年と新しい。

しかしその僅かな顔の斑紋の違いから日本固有種か外来種かどうかの判断はついていないらしい

どちらにせよ日本に生息する唯一のジャコウネコ科の動物

調理場では僕らの朝食の準備をしてくれていた

「おーい!」

JJ、32年来の友達

静香ちゃん、20年来の友達


Photo by 静香

いろんな場所へ行ったねぇ

さぁこれからどこへ行こうかね

写真を撮り歩いていたら、おやじさん発見

おやじさん「こっちさおいで、おもすろいものあるよ!」

茅葺き屋根の別棟に続いた廊下を歩いた

おやじさんに言われるまま付いていったよ

おやじさん「あっそこあっそこ!」

おおっ!! オオスズメバチの巣だ

僕がこっそり窓を開けようとすると、

おやじさん「あっぶねっ! おそわれぇる!」

それから、おやじさんは源泉を見せてくれると言った

下に流れる小川も温泉と同じ温度だと教えてくれた

注) スズメバチの巣から相当離れています

この辺りが源泉らしい

よく見るとボコボコ湧いているのがわかった

おやじさんが宿の歴史などいろいろ教えてくれて楽しいひと時だった

ゆらゆら、

それから部屋へ戻りJJを引っ張り出した

KEN「ちょっと付いて来て!!」

JJ「なになになになになーに!」

へへっ(笑) どうしてもオオスズメバチの巣の観察と撮影をしたかったのね〜

それにしても危険なので道連れ、、いや窓をすぐに閉じれるようにJJにスタンバイしてもらった

スズメバチたちはこちらが驚かさなくても襲ってくるから怖いよね

んっ? 気付かれたか!

JJ 退散!!

しーん、

見下ろすと静香ちゃんも写真をパシャパシャ撮っていた

チェックアウトの10:00までゆっくりしましょ

JJが布団にドサッと入った瞬間、朝の光にホコリが舞った

それがなんとも懐かしく愛おしく感じて

思わずシャッターを切ったんだ

静香ちゃんも帰って来た

朝食、山菜、キノコ、

ヤマメの甘露煮がうれしい

おや? 急に靄がかかってきました


僕らは素晴らしい宿に心から感謝し、車に乗った。

少し離れると宿は霧の中へスーッと消えた

なんとも魅力的な宿だ。

もうすぐの11月中旬になれば冬期休業に入ると言う

ほんの僅かな期間だけ開いている貴重な宿に泊まれて良かったな

激しい砂利道を下りきったら梨園が両側に広がっている

車を止めて降りた

梨の木は背が低くてかわいいね

僕が磯野カツオだったら確実にむしって食べたろうな

ランチはお気に入りの たまご舎へ行った

ここの料理は添加物の味がしなくてとって美味しいんだ

静香ちゃんは親子丼

僕とJJは オムライスを食べた

「んっ? ちょっと味濃くなったよねぇ?」

ふたりに蔵王のお釜(五色湖)を見せたかったけれど、あいにくの雨、。

止んでもこの靄ではダメだね。

さきほど食事をした僕らだけれど

「手打ちそば」の看板に誘われてしまった

ガーデン、陶芸教室とギャラリー、ドッグ・ラン・レース場、手打ちそば屋?

おもしろいところに迷い込んだ

カエルマスター「あっどもども、本日は何にいたしましょうか?」

手打ちそばが出来上がるまで僕らはギャラリーで堪能した

そして打ったばかりのそばをいただく

「コシが有るねぇ」

なんて雰囲気の良いそば屋だったんだ

それから車に乗り込み僕らの住む街を目指した


Photo by 静香

途中、助手席の静香ちゃんが叫んだ

静香「なんかいる〜!!」

何???

おおっ!! ニホンカモシカじゃないかい!

東北に住んでるくせに僕もはじめて会えたよ

本当に崖地にいるんだなぁ

カモシカという名だけれど

シカ科ではなくヤギやウシと同じウシ科に属する

このコはまだ若い印象

目の下の眼下線から分泌液を出してマーキングするらしいんだけれど

それがもう一つの目のように見えてなんとも神々しい顔つき

もののけ姫のシシ神のようだ

ムシャムシャ、

敵に襲われたときのために逃げやすい崖地にばかりにいるくせに

好奇心旺盛でこうして人を見にくるという。


相変わらず "取るに足りない人間"の僕を見ても動じる事無く

カモシカはムシャムシャと食事をしながら

こちらを眺め続けていました。


ムシャムシャ

ムシャムシャ

観察していたつもりが

ムシャムシャ

ムシャムシャ

観察され続けていたわけです





2008 SLOW TRIP Vol.023「 福島県微温湯温泉旅館二階堂 : AFTAR CONCERT」完


KENICHI KIKUCHI "2008 SLOW TRIP Vol.023"