2008.8.15


2008 SLOW TRIP Vol.019 「 田代島 : CAT ISLAND Part.3」

僕たちは本来の目的である猫写真撮影に夢中になっていた。

けれど

「ショッピングセンターまだ先でしょう?」

「食べれるところ一カ所はあるでしょ」

「さっきの自販機で買っておけば良かったね」

話す言葉といえば空腹と喉の渇きのことだった

スロートリップ 田代島 編 第3弾! (完結)


2008年8月10日 (日曜日)

僕らは島の中心へ向ってどんどん歩き続けた

いつの間にか猫達の姿も見なくなるほど山奥の景色になってきた

ツリガネニンジン が涼しげだった

やっぱり野生の草花は美しいな

アジサイの上でマルハナバチがダンス

足下には日本最大の吸血アブ「アカウシアブ」がくっついてくる

追い越しては、目の前に止り、を繰り返すんだ

アブに目をやりながら進んで行くとカナブンがいた!

故郷の北海道にはカナブンがいないのでしばらく一緒に道路に寝っころがって遊んでもらった

くっ、マクロ・レンズ持ってくるんだったなぁ、。

「んっ?」

僕の頭の近くで何かが動いている?


ギャッ!  オオスズメバチだ!!

退散!

でもどこかさびしげだ

もっと先へ進むと、ゴミムシ亜種? オサムシ?

橙色の斑点ついたのは見た事がないなぁ

うーん、この舗装道路は人よりも虫たちがよく利用しているようだ

おっと、ミヤマクワガタのオスだ

鳥に襲われたのか胴体が無くなっていた

羽のずいぶん傷んだイチモンジチョウがいた

しばらくすると廃校になった小学校にたどり着いた。

錆び付いた校門の向こう側を見ると

子供達に遊んで欲しそうな昆虫達がたくさん飛び交っていた

この廃校跡のポイントにはジャノメチョウとよく出会った

まるでテリトリーがあるかのようにポイントごとに現われる蝶が違っていた

ヒメヒオウギズイセン が森に彩を添えて

太陽が真上に近づくにつれて蝉たちのボリュームがあがってゆく

近くの木にいるのになかなか見つけられない

ようやく見つけたニイニイゼミ

ニイニイゼミの大合唱の向こう側、自然教育センターを見つけた

なんだか懐かしい感じがした

ラッキー! 水にありつけた!

ガブガブッ!

うへぇい、ぬる〜い!

その先に島の中心部にある「猫神社」を見つけた!

この島の守護神"猫神様"に手を掌わせた

ハラヘリのJJが駆け出し、三叉路を見つけた

うーん、もうひとつの港に行っても何も無さそうだし

引き返せるこっちの道へ歩いて出発地点の港を目指そうか

突然 隊員のひとりが、あまりのハラヘリと暑さにやられて奇妙な行動をとりはじめた!!

下の動画はそのときの行動を収めたものだ

なんと「つたにチュッ」までしている! おそろしや田代島!

フルサイズ http://gallery.me.com/ken_k/100069

僕はJJの両頬を平手打ち、意識を戻させた

しかしまだどこかおかしい、。

竹を叩いて「いい音するなぁ」とつぶやいている。

いや、それはガードレールにふれていて共鳴しているだけだ、。

フルサイズ http://gallery.me.com/ken_k/100078

田代島のトンボはオニヤンマが多かった

僕らのすぐ横を偵察するようにたくさんとすれ違った

手持ちズーム・レンズじゃこれが限界

コミスジが日陰で休憩、。

「休憩、ってやっぱり最初にみた商店がこの島唯一のショッピングセンターと呼ばれるところだったんだ〜!」

「カップラーメンにお湯くらい入れてもらえたのに!!」

しかしもう僕らには引き返すチカラも無く前へ進むしかなかった、。

うおおっ! 港が見えたぞーっ!

ゆっくり別のポイントからスタートした地点を目指した

カラスウリの花は変わっているなぁ

おっ!

島を探索している中でよく見かけた美しい蝶

なかなか止まってくれないのでカメラに収められなかった「アオスジアゲハ」が

ゴール地点で待っていてくれた

この美しいアゲハチョウをはじめて見てうっとりしてしまった

「港についたけど、空腹は満たされないねぇ(笑)」

「ねぇねぇ、魚いるよ、飛び込んで穫って食べない?」

「港にあった網にからまってたコガニの殻、エビセンみたいに食えないかな?」

なんてことを真剣に話しながら、港にあった自販機を目指した。


「おいおい、アンバサってこんなに美味かった??」

自然と戯れ汗をかいて腹を減らしたあとのジュースは格別だった

「食堂? ねぇんだなぁ、この島には民宿はあるけんども食堂ねぇんだ〜」

民宿では泊まり客分の他に食材が余ったときには料理してくれることもあるらしいけれど

僕らは次の船で帰ることにした

結局「垂れ耳ジャック」には会う事が出来なかった。

けれど、僕らは島の魅力に触れた

いや、まだまだ島には魅力がいっぱいありそうだ

森の中、海の中、暮らす人たちの中、。

また来たいという気持ちのまま帰ろうね

僕らは帰りの船に乗り込み、島とお別れした

船の上 iPhoneで石巻市内の飲食店を検索した

けれど港につく頃には 14:00をまわりお店の休憩時間に入るだろう

僕らが食事にありつけるのはまだまだのようだ


まだまだのようだ、


まだまだのようだ。


グゥ〜、。

 

 

「 田代島 : CAT ISLAND Part.3」完

KENICHI KIKUCHI "2008 SLOW TRIP Vol.019"