2008.8.13



2008 SLOW TRIP Vol.017 「 田代島 : CAT ISLAND Part.1」



数日前の新聞に"猫写真コンテスト募集"の記事を見つけた。

猫好きの静香ちゃんに見せようと切り抜いて持ち帰り、そして渡した。

次の休日にはさっそく猫撮影へ行くことになったのさ

2008年8月10日 (日曜日)  スロートリップ 田代島 編 第1弾

その"猫写真コンテスト"が開催される場所は

宮城県の牡鹿半島先端近くに位置する周囲約11.5Kmの小さな島

「田代島」

石巻港から出港する朝一番の船に乗るために決めた家を出発する時刻から

20分遅れた。

「まったくJJ&静香夫妻は相変わらずだぜ。」

しかしこちらの地方は「仙台時間」と呼ばれるほど

ノンビリしているのでふたりはマッチしているのかもしれない。

有料道路を Alfa Romeo でかっ飛ばすと30分ちょっとで石巻港に着いた。

港には「田代島」よりも遠い島 「網地島」へリゾート目的で出かける人たちであふれていた。

出港と同時にウミネコたちが追いかけてくる。

松島の遊覧船のように乗客がスナック菓子を放るからだ。

セグロカモメやウミネコたちが船のスピードに合わせて飛んでくるから楽しい

「まったく、飛んでいる姿を撮られるなよな〜」

なんて笑いながらシャッタースイッチを押していた

夢中になっていたらネコの撮影に来たのにウミネコに100枚以上撮ってた(笑)

港から離れるほどに海の色は美しくなって

毛の黒い幼鳥は目がクリクリしてた

おおっ! 強そうなのが来た

まったくイイ面構えしてるぜ

これちょっとお気に入りの一枚

そんなに堂々と羽を広げるなよなぁ

人間は飛べもしないんだから

石巻港から40分ちょっとかな、田代島のふたつある港のひとつ大泊港についた。

船着き場で手伝ってくれてたのは島の母さんで驚いた

なんだかゆったりとした空気を感じた

数人の釣り客を降ろして僕らの目指す仁斗田港を目指した

田代島の人口は約100人

そのほとんどが漁師とその家族

そしてその漁師たちの大漁の守護神が猫神様

島には人よりも多くの猫が暮らしていてとても大切にされているらしい。

そうそう島への犬の持ち込みは禁止だ

名産品は牡蛎やアワビ

仁斗田港へ到着!

数人のカメラを持った客人を降ろして船は網地島へ向け出港した

小さなそして静かな港だった

港に停まっていた車に ちばてつやさん の漫画が描いてあった

そうそう、コンテストの募集が載っていた新聞記事には

印象的な片耳が垂れた白黒の猫の写真が一緒に載っていたんだ

「垂れ耳ジャック」として子供達に大人気らしい。

それなら先ずは「垂れ耳ジャック」に挨拶しに行こうじゃないか!

しかしどこへ行けばいいのやら

iPhone に保存しておいた島内マップを見ながら探索し始めた

公衆トイレから出た途端、一匹目の猫発見!

「ウニャ〜」

テクテク

よっしゃ本気出して行こう!

猫目線作戦開始

ムムッ! リヤカーの下に黒猫発見!!

「ニャ〜」

そのとき同じく猫目線のJJが小さな声で僕に言う!

JJ「KEN、うしろ、うしろ!!」





ノッソノッソ

振り返った僕の頭のすぐそばをトラ猫が通り過ぎて行った

うむぅ、JJ! いいところにいるなぁ

上陸してほんの少し歩いただけで猫たちが次々見つかった

島の母さんが電動カーに乗っていた

「こんにちわ〜」

僕らは猫ポイントを数カ所聞く事が出来た

・青い建物の付近

・ショッピングセンター付近

・自然教育センター付近

そして「垂れ耳ジャック」の居場所を聞いてみた。


「 あ〜? ジャックぅ? あ〜見ねぇなぁ〜   

    おらジャックは死んだんでねぇかと思うんだ〜」


ガーン!!

島について早々僕らは「垂れ耳ジャック死亡説」を聞かされてしまった!

情報をくれた"島の母さん"と別れ

僕らはまた歩きだした

「垂れ耳ジャックだけに会いに来たわけじゃないんだし、。」

と、つぶやくも、歩み出す足からは軽快さが消えていた

「ジャック!! 生きててくれ!!」



「 田代島 : CAT ISLAND Part.1」完




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つづく

KENICHI KIKUCHI "2008 SLOW TRIP Vol.017"