2008.5.4

2008 SLOW TRIP Vol.014 「 二戸 : 座敷童 」

2008年 SLOW TRIP 母姉妹と春の東北旅行編 #11

2008年4月18日(金曜日) #2

遮光器土偶出土の地「亀ヶ岡」を訪れいたる所で見た土偶の姿から

町の人たちの遺跡への思いの深さも感じた

さぁ僕は満足した、ふたりにサービスしよう

今回の旅の原点「桜」を探そう

つがるから弘前へ向かう途中

素晴らしい林檎園の風景が続いた

母は気に入ったようで写真を熱心に撮っていた

弘前城のある弘前公園に着くと桜が見事に咲いていた

おもしろいね秋田県の角館はまだ咲いていなかったのに

それよりずっと北のここが咲いてるなんて

今夜は夜桜祭りなのか露店が準備に追われていた

しかし僕の常識を覆すお店が多い

「金魚とイモリ」

手書きで「イモリ」

本当にイモリがたくさん泳いでいた!

そのとなりは「ふりかけ」??

シュールだ

中国3000年の歴史ってやつか!?

「おばけ屋敷」なんだかうれしくなった

満開になると白っぽくなるから今がいいのと桃色を味わっていた

オシドリか池にいた

仲の良い夫婦を「おしどり夫婦」などと呼ぶが

繁殖期ごとに別の相手と結ばれ繁殖期以外は雄雌別行動をとるのに何故そう喩えられる?

このカップルも特別仲良さそうでもなかったし

「桜」の旅満喫されていますか?


Photo by  KIYOMI KIKUCHI

本当にこの姉妹は仲が良くてお花が大好き

弘前公園を囲むお堀沿いの桜は見事だったなぁ

ここをくぐり抜ける贅沢さときたら



良かったね



弘前公園からそれほど遠くないところに次の目的地があった

ここは禅宗だけの寺院が数百メートル両脇に並ぶ「禅林街」と呼ばれる地だ

ここの一番奥に位置する寺院「長勝寺」

日本らしくない色彩豊かな像が何体もあった

残す旅の安全を祈り今夜の宿、岩手県二戸へ向かった

今日一日空は雨をずっと我慢してくれてたけれど

宿に着く頃にはたまらず泣き出した

岩手県二戸市金田一温泉郷「緑風荘」

僕が選んだ今回の旅さいごの宿だ

そして「座敷童」が現れてくれる宿

座敷童伝説の、離れにある部屋「槐(えんじゅ)の間」は3年先まで予約が入っている

座敷童体験をすると幸せが訪れるらしい。

今夜の泊まり客が外へ食事に出ているとのことで

この宿の次男さんが槐の間へ案内してくれた

つのだ先生!?

「槐(えんじゅ)の間」

とても立派な部屋だった

部屋中に子供が喜びそうなぬいぐるみやオモチャでいっぱいだった

女将さんから話を伺うと

宿泊したお客さんが後に「良いことがありまして」

再度訪れては座敷童へぬいぐるみやオモチャを置いて行かれるそうだ

座敷童の歴史は約650年前に遡り

ここ金田一で病を得て6歳でこの世を去ったご先祖様「亀麿」

以来、亀麿は守り神となり度々姿を現すようになったと伝わっているという

旅館としての開業は1955年

多くの著名人が宿泊されたとある

(ちなみに廊下の壁に水木しげる先生の写真もあった)

外には神社があった

洗面所から見える桜がきれいだったな

不思議な体験をするのは槐(えんじゅ)の間だけではないという

僕らの部屋にもオモチャが置いてあった

動く電動のオモチャがないのに

どれからか音がするんだ?

ケラケラと笑うような

僕が見ると止まる

しばらくするとまたケラケラと

でも不思議とそれを繰り返すと楽しい気持ちになった

緑風荘の食事はボリュームたっぷりだった

お刺身にしても大きく切られてお腹いっぱいになった

隣の大広間では60歳くらいの人たちかな?同窓会で盛り上がっていた

この地を愛している人たちとわかった

でも賑やかすぎたので食事をいただいていそいそと部屋へ戻った

でも座敷童たちはこういった人が集まる楽しい場が好きなんだろうな

子供の頃自分がそうだったように

現れるのは守り神の亀麿だけじゃなく

たくさんの童子たちが現れるようになったという

亀麿の友達がたくさん集まるんだね

この宿を撮影したアルバムがあった

それは部屋の中なのにまるで雪が降っているような

たくさんのオーブが写っていた

キラキラ、キラキラ、



2008年4月19日(土曜日)

僕の寝床の横では相変わらずケロケロ聞こえたけれど

ぐっすり眠れた

母と加代ちゃんに聞いても

一番ぐっすり眠れた部屋だったと言っていた

窓の外では雨にもかかわらずたくさんの小鳥たちが

朝食探しに懸命だった

さぁ帰ろうか



雨なのでまっすぐ家路へつこうと思ったけれど

この近くに瀬戸内寂聴さんが長い間住職を務めた

八葉山天台寺があるので立ち寄った。

それからまっすぐ高速道路に乗り仙台の部屋まで走らせ午前中に着いた

旅疲れどころかカラダが軽い

きっとカラダに良い旅だったんだろう

みんなすっきりした顔をしている


今日は雨だけれど明日は晴れる予報だ

明日、もう一カ所だけ旅しようか


 

 

次回 2008年 SLOW TRIP 母姉妹と春の東北旅行編 最終回!



KENICHI KIKUCHI "2008 SLOW TRIP Vol.014"