2007.11.13
2007 SLOW TRIP Vol.033 「 山原 : ヤンバルクイナ 」
僕が10歳のときにTVや紙面を賑わす出来事があった見出しはこんなだった
「沖縄で新種の鳥発見! ヤンバルクイナと命名! 」
体を張った芸人はヤンバルクイナの動きを真似たり一大ブームになった
2007 SLOW TRIP 沖縄編 Vol.4
2007年10月28日
世界で一世紀ぶりに新種発見された鳥ヤンバルクイナ
発見された場所は沖縄本島の北部、山原(ヤンバル)と呼ばれるジャングル地帯
動植物の宝庫故に日本のガラパゴスとも言われるところだ。
美ら海水族館を出発してそこを目指す。
去年の西表島を訪れるときのような興奮が僕を包み込んでいた
どうしたことだろうまたもや JJ が
「 KENハラヘッタ〜! 」とウルサイのだ
ヤンバルの山奥へ向かう途中に美味しそうな店厳選して入ろうぜって話してたのに
車を走らせて一番最初に見えた店に入ることになった
3人は「ソーキソバ」を注文
これが美味かった!
今まで食べたソーキソバの中で一番の味だった
初ソーキソバ食らうミツイヒロキ
普段ならバカッ速で麺類食いあげるJJも味わって食べていた
満たされたかい? JJ
食った!! このお店オススメ こののれんを探すべし
どんどん北上して行くと人々の素朴な暮らしの風景が広がった
森は深い色で蝉や鳥の声がギュンギュン響き渡っていた
ミツイヒロキに運転を代わってもらい窓から見える景色にシャッターを切った
ここは去年行った西表島と由布島を渡す水牛車に乗った場所を思い出させた
ウチナーンチュの親子が釣りをしているのが見えた
このあたりでは何が釣れるのだろうね
赤信号で停車したところで蝉の音が随分近くに聞こえたのでミツイヒロキに寄せてもらい車を下りた。
いたいた!
見た目から、ツクツクボウシ??
でも鳴き声が違うなぁ
調べると沖縄固有種の「クロイワツクツク」らしい
昆虫の中で僕は蝉のカタチが一番好き
バルタン星人より原型のセミ人間(ガラモン操る宇宙人)が好き
だからセミが好きみたいな感じ(笑)
同じ木に5匹は鳴いていた
じっくり観察を続けるとこれまた沖縄固有種の「オオシマゼミ」がいた
ヤンバル地方の蝉はこの二種がほとんどみたいだ
だからヤマトーンチュの僕らが耳にする
夏のギラギラした日のあの蝉の声とは少し違うのさ
ヤンバルと呼ばれる地域に突入
名護市あたりからヤンバルと呼ぶこともあるらしいけれど
町並みも消えてジャングルが目に飛び込むとヤンバルだと実感出来る
どこでヤンバルクイナが飛び出すかわからないので慎重に車を走らせてゆく
道路が整備される前は陸地の移動手段が無く
ヤンバル地方へは船を使って渡っていたらしい
それ故に陸の孤島と呼ばれていた時期もあったと聞く
ようやく国頭村(くにがみそん)まで来た!
ヤンバルクイナに細心の注意を!
このショッキングな写真はこのあたりで交通事故にあったヤンバルクイナ、。
地元新聞によると今年のヤンバルクイナ事故死は過去最悪の9月時点で21羽が犠牲になったとのことであった、。
(注 やんばる野生生物保護センター内コルクボード記事を撮影)
僕らは沖縄本島最大の滝「比地大滝」までの遊歩道を歩きこのあたりの自然の動植物と触れあうことにした
空気が濃かった!
野鳥が飛び交い生命が吠えている
これがヤンバルか!
道脇にはクワズイモが自生していた
うーん、ワクワクするコースだ!
ヤンバルクイナにシリケンイモリ!!
けど、残念なことに遊歩道のゲートは15:30に閉められていた、。時計を見ると15:40、。
セミで時間くったか、、いやいや!
仕方が無いし次回の楽しみに取っておこう
日没前にホテル戻れるのもあやしいからよしとしよう
駐車場まわりをちょっと観察しましょうか
ハイビスカスの原種のクレイかな? ちょっと違うような
スタージャスミン
これからもさんぴん茶作れるのかな
なんの実でしょ?
オオシロカネグモが食事の準備をしていた
奄美以南の南西諸島に生息するマダラコオロギ見つけた
これまた奄美大島以南に生息するオキナワモリバッタ
そう言えば西表島ではイリオモテモリバッタに出会ったっけ
色は違うけどカタチはそっくりだ!
沖縄本島の亜種は後肢首が赤いのが特徴とか
普段お目にかかれない虫たちに会えてワクワクするよ
遊歩道へ来る途中に看板を見かけた「やんばる野生生物保護センター」に立ち寄った
玄関にヤンバルクイナを守る看板が立てかけてあって
この地域の人がいかにヤンバルクイナを大切にしているかがわかる
ヤンバルの森にだけ住む固有種ノグチゲラの剥製があった
1970年に沖縄県の鳥に指定され1977年に特別天然記念物に指定されたキツツキ
ヤンバルクイナの剥製? 模型?
なんだか歳をとると剥製やらを見るのは少し抵抗が出来てくる
ヤンバルクイナやイシカワガエルの事故の記事がコルクボードにいくつも張り出されていた。
ヤンバルクイナは交通事故以外にも
ヒトが放ったノネコや1910年にハブを駆除する目的で移入されたジャワマングースなどの
元々ヤンバルにいなかった種に捕食され減少を続けている。
マングースはニンゲンの思惑から外れハブなど補食せず
楽に捕らえられるクイナや小鳥などを襲い続けていると聞いた。
沖縄本島の北部このあたりが山原(ヤンバル)
施設内には日本各地の絶滅危惧種が記されている地図があった
僕の故郷では シマフクロウが絶滅危惧種だと知った。約100羽ほどしかいないと。
去年、西表島へ行ったときイリオモテヤマネコを見たことがある現地の人はわずかだった。
沖縄本島でもヤンバルクイナを見たことがある人はわずかで
それはシマフクロウを見たことがない僕を考えたらさみしいけど当然なのかもしれない
それまでの生態系の頂点であったハブからは身を守る術を知っていたヤンバルクイナ
自動車や外来種には身を守る手段がないんだ
それと似た事がヒトにもいずれやって来るだろう
生態系をも操作して住みやすくしようとするヒト
ぼんやり空を見上げる三人
頭上ではチョウゲンボウがヤンバルの森高く飛んでいた
つづく
KENICHI KIKUCHI "2007 SLOW TRIP Vol.033"