2007.2.3

2007 SLOW TRIP Vol.03 「愛宕神社 : スメル・オブ・ウィンター」


その日僕の鼻は美味しい蕾を狙うヒヨドリみたいに

冬の花の香りに誘われていた

2007.2.3


仕事が終わるのを待って

仙台市中心部から程近い愛宕神社まで来た。

ここは見上げた時の木がとてもいいんだ

その気になれば

絵を描くみたいに木の枝で何でも表現出来そうなくらいにいいんだ。

香りの発生源までようやく辿り着いた

数少ない冬の花「蝋梅」

その名のとおり蝋細工のように透き通った黄色い花

とてもよい香り

頭の中までリラックスさせてくれる香り

写真も絵も音楽も「空間」が好き。

ギスギスして余裕のないのは苦手。

今日の中で気に入った写真も一番「空間」があるこの一枚

例年より約一ヶ月ほど早い12月26日に開花した蝋梅

美しく咲いてるのは地球温暖化への警鐘

次々と警鐘が咲く準備

深く考える瞬間

今こそこのテーマで世界一つになり地球を守る瞬間(とき)


故郷には竹林がないから

ついつい竹に見とれてしまう

近くの伊達政宗の霊屋「瑞鳳殿」に立ち寄った

広瀬川も友が来たときに歩いたきりなので寄り道したくなった

河原まで歩いた

チュイー、チュイー!

かわいらしい声の先には冬羽のハクセキレイがいた

「チュイー、チュ!! (こっちへおいでよ!!)」

何だい?

冬色のハクセキレイは貴重な昨日の雪が残った場所へ案内してくれて

冬らしい一枚を撮らせてくれたのでした。

太陽が沈みハクセキレイも山の方の景色へ融けていった。

さぁ、僕もそろそろ帰ろうか

僕は何に融けて帰るのだろう


KENICHI KIKUCHI "2007 SLOW TRIP Vol.03"