17の夏休み
ペダルをこぎ続けた
背中に大きな
太陽しょって
JJと二人
バイトを探しに街へ出た
手当たり次第 叩いたドア
がむしゃらに、つかってくれる所を探した
片手で断られ続けたけど
真っ暗になっても見つからなかったけど
JJはクラレンスで僕はブルース
始めるにはどうしても必要だった
JJにはセルマーが
僕にはフェンダーが
何十カ所まわった?
結局見つからなかったね
でも夏の終わり
「まだやる気ある?」
って電話が鳴った
5時間目終了のベル。街で働いた
玉突き場でプールの清掃
ボーリングピンが立つ裏で機械油にまみれた
毎日の取り分をノートにつけた
あと何日かでオトヤ楽器店に頼めそう
JJはクラレンスで僕はブルース
始めるにはどうしても必要だった
JJにはセルマーが
僕にはフェンダーが
僕は手にした
バタースコッチのテレを
JJは手に入れた
ヤマハのテナーを
僕ら流のやり方を大切にした
だからバンド名は「STANCE」に決まった
メンバー6人小銭を集めて
住居地下をスタジオに変えた202で練習した
肩に食い込む楽器をひっさげて
とにかく生きる場所を見つけた
JJはクラレンスで僕はブルース
始めるにはどうしても必要だった
JJにはセルマーが
僕にはフェンダーが
今も歌ってる
たぶんJJも頑張ってる
何をしていようといい
あの時のまんまで頑張れれば
歳をとるとロクな連中がいない
あきらめと時代のせいにするクズばかりだ
僕は地下室でやった初めてのLIVEを忘れない
JJと同じ格好で駅を歩いた事を忘れない
そりゃ人生はつらく苦しい
でもそれを感じる暇もなかった日々を忘れない
JJはクラレンスで僕はブルース
始めるにはどうしても必要だった
JJにはセルマーが
僕にはフェンダーが
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