2008.4.28

2008 SLOW TRIP Vol.010 「 猊鼻渓 : THE RAVINE 」

2008年 SLOW TRIP 母姉妹と春の東北旅行編 #07

2008年4月16日(水曜日) #3

達谷窟毘沙門堂を後にした僕らは次の目的地である岩手県一関市東山町の東部へ向かった

正午に差し掛かろうとしたとき

車に表示される外気温を見ると25.5度。

暑い。

エアコンが全く効かない、コンプレッサー回っていない

おまけに昨日まで聴けていたカーナビのiPodが認識されない

早くもアルファロメオの洗礼を受けているのか

まぁ走りには関係ないものが使えないくらいじゃ全然へこたれないさ

猊鼻渓駅近くのコンビニで飲み物とちょっとしたランチを買い

桜が見事に咲いている小さな猊鼻渓駅の公園で食べることにした

他に人もいなく気の早いモンシロチョウがもう舞っているだけ

ウグイスの歌を聴きながら食べたサンドイッチが美味しかったなぁ

大きな駐車場があるそこのコンビニの店員さんに

駐車の許可をもらって川下りの方まで歩いて行った

1923年に岩手県で初めて国の名勝に登録された「猊鼻渓」

砂鉄川の色がまたエメラルドグリーンできれいだった

船頭さんはこれで川底を掻いて船を漕ぐ

この掻く音もまた妙であった

ラッキーなことに船頭歴40年そしてここの船頭長の小原さんの船に乗れた

そそり立つ石灰岩の壁に挟まれた渓谷をゆっくり進んで行く

すぐ真上を鳶がゆっくりと飛んでいた

鳶を目で追っているとサッと川面に急降下して魚を捕まえた

そして木の上で得意げな顔をしてムシャムシャ食べていた

船頭さんは猊鼻渓内の奇岩や鍾乳洞、滝の説明をしてくれる

上の写真の真ん中の岩は「少婦岩」と呼ばれていて

女性の横顔に見える

「よく見ると鼻毛出ているんです、そして手入れがうまくされてないから枝毛も多くて」

笑わせてくれた




それにしてもさっきからとても美しい囀りが聴こえるんだ

渓谷に響き渡る声の主、、

キョロキョロしていると

「あそこにいるよ!」

船頭さんが指差した

いたいた!

小さいねぇ!

日本の野鳥で最小種のミソサザイだ。10cmも無い大きさだろうか

でもとっても響く声で美しく歌う。

Wikipedia に面白い記述があった

ミソサザイは西欧各国の民間伝承においてしばしば「鳥の王」とされ各国語における呼称も君主や王の意を含んだ単語が用いられる。

森の王に立候補したミソサザイが、森の王者イノシシの耳の中に飛び込んで、
見事にイノシシを倒したものの、だれも小さなミソサザイを森の王とは認めなかったという寓話が有名である。

(ミソサザイ - Wikipediaより引用)


カッコいいぞミソサザイ!

40分ほど進むと船では進めないほどの浅さになり、そこから歩いて進んだ

河原では鮮やかなキセキレイが姿を見せてくれた

素晴らしいところだなぁ!

最終地点に到着

猊鼻渓の名前の由来がこの浸食された鍾乳石「獅子ヶ鼻」

なるほど鼻のカタチだ!

獅子の鼻と言うより人の鼻そのもの

予備知識が無かったから愉快な気分になったよ

写真中央左よりの穴が「イノシシの目に見えませんか?」 と言われた

「見える見える! 泣いているね、。」

ちなみにここのポイントには「うん玉」なる石ころ? が100円で売られていて

あのイノシシの目の穴に向かって投げて見事入ると願い事がかなうらしい。

景色に見とれて「うん玉」投げるの忘れちゃった、。

帰り(下り)の川の上ですれ違った船の乗客は酒を飲んでいて陽気だった

函館からの中学の修学旅行生の船ともすれ違った

いよいよ船頭さんの自慢ののどが披露される!

船頭の歌う「猊鼻追分」にミソサザイのソプラノが加わり

キセキレイも加わる

川底を引っ掻く音が一定のリズムを刻んで

渓谷に素晴らしい音楽が響いた

フルサイズ http://gallery.me.com/ken_k/100099

本当に素晴らしい! すっかり癒されてしまった

すっかり洗い流された僕らは駐車場まで歩いて戻った

畑でツグミを見つけた

ミソサザイを見た後だとずいぶん大きいね君は



また車に乗り組み次の場所へ走らせた

東北の田舎道はとってもゆったりしている

時に制限速度以下走っている車もあって笑ってしまう

沖縄に似ているかもね

さぁ着いた!

まだ太陽は高い位置にあるのに相変わらずここはしっとりしていた


Photo by  KIYOMI KIKUCHI

二度目の遠野「カッパ淵」!

デーン!!

よく見ると「乳飲みガッパ」もいた

出そうな雰囲気だったけれど

今回も残念ながらカッパは現われなかった、。



さぁ今から今夜の宿へ向えば16:30には着くだろう

明るいうちに宿に着かないとねやっぱり

今夜の宿 岩手県花巻「大沢温泉 菊水館」

http://www.oosawaonsen.com/s-kikusui.htm

ビッタリ 16:30に着いた

いい部屋だねぇ

想像してた通りの宿! しかも一泊 7,290円 安い! さすがマイチョイス!(笑)

さっそくひとっ風呂浴びて涼んだ

なんだか昔通った小学校を思い出していた

さっ食事、食事!

岩手県の日本酒で乾杯して部屋に戻ってからは

今日写した三人分の写真をMacに取り込んでスライドショーにして再度味わった

頭の中で心地よい猊鼻追分が響いているうちに明かりを消して

目を閉じて眠りについた


おやすみなさい

KENICHI KIKUCHI "2008 SLOW TRIP Vol.010"