2007.11.2

2007 SLOW TRIP Vol.029 「 朴沢 : Animal's point of view」


身内で数ヶ月に一度開催しているフォトコンテスト

今回のテーマが"イキモノ"

随分と寒くなってきたけれど朴沢の連中は元気だろうか?

2007.10.21

ニンゲンたちが好きな派手な景色も遊び場もないから

自然が守られているこの場所が好きだ

イナゴたちはお米の収穫が終わった後も元気に弾んでいた

グラスをバネにしたら君の能力を超えて飛べるかもよ

中には大切なハートを抱えるものもいた

紫苑の花にホソヒラタアブがいた

ただの「アブ」か、で済ますか

美しさに気付くか

美しさに気付いたほうがより世界を愛おしく感じられるものさ

見事な赤

まるで RED キャンペーンの マユタテアカネ がいた

コガネムシ が一生懸命ゴソゴソするたび七色に輝いてた

丸太で出来た架け橋のすきまに毬栗が挟まってユーモアに見えた

誰がイガイガと格闘したあげくおいしい実にありついたんだろう

足下ではアカガエルがピョコビョコ跳ねてる

それを狙うシマヘビが姿を見せるけれど

カエルよりも臆病なシマヘビは僕に気付くと茂みにすぐ隠れちゃうんだ

大きなホウノキの枯葉の上で アカネが一休み

おや? 僕は見つけたぞ

ここは虫たちの視線になって、と

ほらほらいた

なんとも幻想的な登場じゃないかい

やっぱりカメラのマクロレンズ越しに見ると迫力あるなぁ

口元はプレデターだものな

でもなんとも愛嬌あるヤツ

今年は会えないかと思ってたけど会えて良かった

どうもカマキリ イコール 関根勤さんを連想してしまう僕はカックラキン世代

しばらく遊んでくれてありがとよ〜 いっぱい卵産めよ〜

秋だなぁ

さっきまで高速パトロールしていたオニヤンマもようやく休憩時間になったみたいだ

ジョロウグモが空に浮いていた

正確には空に紡いでいた

付近の農家の畑には茄子が実って

ここのキバナコスモスには必ずアゲハチョウが集まってきてくれる

足下のちっこいアマガエルを手にのせてみたんだ

おや?

こんなちっこいアマガエルの瞳に

緑、空、雲、太陽、僕の見てる世界と同じ世界が映っていた

ちっこい連中それぞれに

人間とおんなじ世界が見えてるんだ

だから人間たちのやらかしている勝手な行為も自然破壊も全部

しっかり見られてきたのさ

しっかり見られているのさ

空にはカラスの集団に追いかけられて林から林へ逃げ込むハイタカがいた

でも全ての生き物たちが、ある種から絶滅してゆくことなくしっかりと共存していた

人間の介入から今のところ逃れているこの場所では

そう「この場所」では。


KENICHI KIKUCHI "2007 SLOW TRIP Vol.029"