2007.6.25

2007 SLOW TRIP Vol.020 「 サイカチ沼 : THE FOSSIL WHICH LIVED


新人「ホモ・サピエンス」が誕生したのはせいぜい4〜6万年前と言う

ジュラ紀(1億9500万年〜1億3500万年前)にはすでに誕生していた連中に出合った


2007.6.23

蒲生干潟を後にした僕は一度訪れてみたかった「サイカチ沼」へ車を走らせた

地図に載ってる道は車が通れないほどの道もあって迷ってしまった

けど、どうにかなるものさ

森に踏み入れると小鳥たちの囀りが心地よいので車を降りた

森の入り口でホオジロが迎えてくれた

ホオジロの幼鳥も元気に飛び回っていた

幼鳥のしぐさは特にかわいらしい

初めて見る全てに興味を示しているかのようさ

さぁもっと奥へ行こう

サイカチ沼下流側の「月山池」に着いた

なんともいいところだねぇ!

「熊出没注意」「スズメバチ・マムシ 注意」の看板は立っているけれど

背中のリュックに日傘さ立てて浮き釣りを楽しんでいる人がいた

しばらく一緒に浮きに集中してしまったわけさ

サイカチ沼は大正時代に灌漑用ため池としてつくられた人工の沼だけれど

動物たちにも住みやすい場所のようだね

おおっ!

ムカシヤンマだ!

ジュラ紀(1億9500万年〜1億3500万年前) にはじめて誕生したときの姿、

特徴を多く残している日本にしかいないムカシヤンマ

まさに生きた化石 !

眼が黒くはなれていてカッコイイ

うーん、眺めているだけで太古のロマンを想像してしまう

サイカチ沼の奥まで行ってみた

アザミが鮮やかに咲いてた

「さぁ引き返そうか」

そうだ、来る途中にあった田んぼに寄っていこう

さぁさぁカエルちゃん出ておいで〜

「おじゃまじゃくし!」 (メイ)

この辺りはトトロでおばあちゃんがメイちゃんを探し回ったあの風景に似ているんだ

「プハ〜!」

今日は野鳥の子、カエルの子にたくさん会えた

巣立ちの季節なんだね

まず足が生えてきて

次に手が生えてきて

子供の頃オタマジャクシを飼うとこの手が出てきてから

いつもすぐ死んじゃったな

そして立派に育ったニホンアカガエル登場

トウキョウダルマガエルも現れた

ヒョッコリ!

気がついたらカエルだらけ

僕のこと天敵じゃないと判断したのだろう

トウキョウダルマガエルはトノサマガエルとそっくりだけど

見分け方を知っているよ

トノサマガエルは足を閉じたときに後肢の中指が

眼の後ろの丸い鼓膜まで届く長さだけれど

トウキョウダルマガエルは鼓膜まで届かないんだよ

トウキョウダルマガエルは僕みたいに足短いんだ

プク〜っ!

ニホンアカガエルは北海道にもたくさんいて

子供の頃泥だらけになって追いかけたな

カエルを捕まえたその日は悪ガキらの中でヒーローになれたっけ

やっぱりニホンアマガエルが一番好きだな

いつもニコニコしてる愉快な顔してるから。

やっぱり日本の田んぼにはこの3種が似合うなぁ

ウシガエルはちょっとね

草むらからカエルに成りたてのちっこいのをつかまえて手にのせてみたら

コロンと死んだふりをした(笑)

このあと

「ピョコン!」と元気に田んぼに跳ねてった

イトトンボは、その名の通り糸のように細く小さいので

こんなにキレイな色をしていても目を懲らさないと見つけられない

アジアイトトンボの雄だと思うんだけれど、イトトンボは判別難しいなぁ

アジアイトトンボの雌

イトトンボの顔は怖くもあり、ユニークでもあるね

昔のヒトが想像した宇宙からの侵略者の顔だね

ハラビロトンボがたくさん飛んでいた

その名の通り腹の部分が平べったく短いのですぐわかる

雄が雌を楽しそうに追いかけていたよ

雄は成熟してくるとこのように黒くなってきて、

そしてもっと老熟してくると蒼灰色の粉を吹く

シオカラトンボみたいだね

顔はメタリックブルーでカッコイイ

子供たちにはこのような自然に囲まれた場所で育って欲しいよね

実に素直そうな姉弟たちがお手伝いをしてた

カエルになったばかりの君に世界はどう映ってる?

気の遠くなるような長い時間、遺伝子の中にこの世界はどう記憶されてきたの?

恐竜たちはどのように暮らしてたの?

君たちはどのようにして生き延びてきたの?


ヒトはどうして他のイキモノと違うの?


君は答えをもっているのに黙ったまんま不器用に飛んでいった


2007 SLOW TRIP Vol.020 「 サイカチ沼 : THE FOSSIL WHICH LIVED


KENICHI KIKUCHI "2007 SLOW TRIP Vol.020"