2007.2.17

2007 SLOW TRIP Vol.05 「近所の公園 : サーチング・フォー・スプリング」


早朝枕の上、耳元に小鳥たちのさえずりで目が覚める

「おかしい」

上の部屋の物音さえ聞こえないマンションで

外の音、小鳥の声なんて聞こえるはずがない


2007.2.17

ちょうどよい、天気も良いし「春」でも探しに行くか。

車で5分の「長命館公園」

ここは南北朝時代のこの地の領主長命氏の館跡で

現在は歴史公園になっている。

水たまりに薄氷が張っているのに春はやっぱりまだ早いかな

とにかく歩こう

「ツピッツピッツピッ」

んっ? 枕の上で聞いた声がするよ

「シジュウカラ」がすぐ近くにいた

「 君かい? 呼びつけたのは? 」

とても歩きやすくて良い公園

派手な施設がないからかすれちがう人も少ない

敷地内の「梅園」まで来たら

もう紅梅が咲いてた

「春」見つけた

後ろから撮されると恥ずかしいかな?

もともと紅色だから照れているのかわからないけれど

おや? 誰だいそこにいるフワフワの綿みたいなコは?

「エナガ」が顔を見せてくれた。

「ずいぶんカワイイねぇ君は」

「物見岡」の小鳥ハウスみたいな物見台に上って

僕の住む街を小鳥の気分で見下ろしてみた

さぁ他に「春」はないかと歩き出したら

まだ昨日の雪が残ってる道があった

「野鳥の森」地区にやってきた

「ゴジュウカラ」が木の幹を動き回り虫を探してた

それからというもの

「野鳥の森」なのにさっぱり小鳥たちの姿が見えなくなった

いったん丘の上で休憩

森の一部みたいになってじっと待ってみると

口笛のようなせつない声とともに「ウソ」がやってきた

名前の由来は口笛を意味する「おそ」から来てるという。

「ウソ」が大好き

なんとも言えないカラーリングがたまらなくかわいい

「嘘」は大嫌い

「アカウソ」の雌もやってきた

木の芽がおいしそうだね

「シジュウカラ」もまたやってきた

一羽で「雀」40羽分の価値があるから「四十雀」

「雀」に失礼だよね

気がついたら一時間半もここにいた

小鳥たちにさよならして場所を移した。

これまた5分とかからずの場所

「水の森公園」

丸太沢堤の方ではオオハクチョウが人にエサをもらって

うれしそうな声を上げていた

「春」らしい何かを見回したけれど

凧あげをする少女くらいしか見あたらない

ゆっくり歩いて行くと「モズ」がいた!

他の野鳥の鳴き真似が得意だから「百舌」

「早贄」といい、コイツには男の魅力がある

「春」のような太陽の光に溶けてモズは飛んでいった

移動しよっと

「ヒュイーン」(車で移動だけど)

またまた自宅から車で5分の「鶴ヶ谷中央公園」

通称「ひょうたん沼」着

公園では子供達がはしゃぎ回り

ベンチでは老婆たちがお話をしてた

何気ないあたりまえのシーンだけれど何故か安心してしまう

ひょうたん沼の真ん中を渡ると

そこら中から

「チョッピーチョ、チョッピーチョ」と聞こえてくる

ここには「アオジ」がたくさんいるんだね

オジサンはのんびり釣り

おっと! 失礼

「どうぞとうぞお進みくださいな」

おばさんが水鳥たちにパンの耳をあげてた

時々自分の口にも入れるのが愉快だった

おやおや随分遠くまで来たんだねぇ

「今かなぁ、大丈夫かなぁ」

木陰から「雀」もパンの耳を狙ってた

その真上では「トビ」も「雀」を狙ってた

ここの公園は本当に「アオジ」が多いんだね

「ヒヨドリ」もペアでたくさんいたなぁ

公園内では緑が着々と育って「春」を感じることは出来た

でも寒さに膨らんだ「雀」を見てたら

雪は積もらないしどうしたのやらだけれど

まだ「冬」なんだなぁって思った

季節を感じていないと生きていけないものさ

ヒトもトリもショクブツも


KENICHI KIKUCHI "2007 SLOW TRIP Vol.05"