2006.10.14

SLOW TRIP 2006 Vol.21 「 西表島 : ミステリアス・ナイト・ツアー 」


10月5日

全てが魅力に包まれた西表島

島に下りてからというもの

目にする全てに夢中になってしまう

そんな僕のすぐ横を元気なツバメ達が猛スピードで走り抜ける

何度も何度も僕の横をヒューン !!

美しいサンセット、ツバメ、風、わかるでしょ?

日本のガラパゴス「西表島」編  第4話

お腹が空いたことに気付いたので ホテルの レストラン「BOSCO」の席についた

サンセットをイメージしたオリジナルカクテルをオーダー

昨夜の宮古島での泡盛が響いていなくもないので

今夜はこれ一杯にしておこう

経験値をためた僕であった

さぁここから料理番組行きます

前菜は「サーモンマリネライスサラダ」

シークァーサーソースと相性バッチリなのです

プリモ「ガーラともずくのパスタ」でございます。

このホテルの近くの「南風見田浜(はえみだはま)」で捕れたもずくが美味しい和風パスタ

南風見田浜の海の向こうは

日本最南端の有人島「波照間島(はてるまじま)」があると言えばわかりやすい?

メインは「紅芋とじゃが芋のベークドポーク」でございます。

沖縄県産の黒豚と紅芋がオニオンバターソースにベストマッチ!

紅芋は別名:唐芋。唐の時代の中国から伝わったからと教えてくれた。

それが薩摩へ渡って薩摩芋、

そんなことを頭に浮かべながら食べるとより味わい深く感じるのさ。

単純だなぁ僕は

デザートは「黒糖フィナンシェ」

西表島のサトウキビで作られた黒糖は完全に無添加で純粋な甘みが広がった

美味しかった!

僕は庶民的な味や大衆食堂みたいなのが好きだけど

たまにはいいね


さぁ、今回はここからが本番!


「地元のおっちゃんと行くナイトツアー」!!!!!!

西表島の夜行性の動植物を地元のおっちゃんの案内で

ポイントへ向かうツアーに参加した。

もちろん、お目当ては「イリオモテヤマネコ」!!

僕の他にもカップル一組が参加

話すと共通の趣味が多くてツアーもよりいっそう楽しめたんだ

「日中アカショウビンに、シロハラクイナに逢えましたよ」って教えてくれた

昼間通ったイリオモテヤマネコ出没多発地帯へ向かう

7月と8月のツアーでは見事イリオモテヤマネコに出逢えたとおっちゃん

でも、島に暮らす人達でさえ、見たことがないと言う人がほとんどで

そのくらい稀少なんだ

まず最初におっちゃんの懐中電灯に照らされたのは「オカガニ」

水際を離れて生活する陸棲のカニ

西表島の道路脇にはね、カニやカメが移動出来るように

斜めになっているところが一定間隔にあったよ

およ?

時速数キロで走りイリオモテヤマネコを探す

参加者全員真剣にヘッドライトの先を見つめる。

空には星が輝いている、

んっ!? 草むらからも光が見える?

次第にどこからが空かわからないくらいに星だらけになる

おっちゃんが車を止めた

「ホタルがいるね」

「ちょっと気持ち悪いかもよ、いい?」

って言って懐中電灯をあててくれた

「オオシママドボタル」の幼虫

幼虫期にもお尻が光るとは初めて知った

このホタルは奄美大島で発見されたのでこの名前なのに

その奄美大島ではすでに絶滅したと言われてて

八重山諸島にしか住んでいないと言う。

ホタルのエサのカタツムリ、

カタツムリのエサの腐葉土、

道路開発などによる下草伐採、

腐葉土減る、カタツムリ減る、ホタル減る、

確実に個体数を減らす原因はまた人間か

再び「イリオモテヤマネコ」タイム

ドキドキ、

ドキドキ、

うーん、

おっちゃんがまた車を止める

また「オカガニ」がいた

卵をいっぱい抱えて海の方へ向かっていた。

そうか、明日(2006年10月6日)は旧暦の十五夜で満月

1日も間違わないで放卵へ向かうオカガニ

神秘的な気持ちになった

モビルスーツ?

明日になれば波打ち際で身体を震わせ放卵するんだね

もうすぐ海だからガンバレ!

道路と草むらのあたりには小さいヤドカリがたくさんいた

「イリオモテヤマネコ」タイム

ドキドキ、、。


おっちゃんの車がまた止まる

おっ! 小さいヘビ

ホタルのところでおっちやんから

「草むらに入らないでね、ハブがいるから」と言われてたけど

このヘビはかわいらしいね

宮古諸島と八重山諸島にしかいない「サキシママダラ」

握るとにおいが強烈だから気をつけてと

おっちゃんに教えてもらった

倒れてしまうほどの悪臭で、手を洗ってもとれなくなるんだってさ

サヨウナラ!

結局残念ながら「イリオモテヤマネコ」には出逢えなかった。

ポイントとしては雨の日、雨上がりの日とかが比較的出現しやすいと教えてくれた

食べ物になるカエルやカニがたくさん活動するかららしい。

出逢えなかったことが僕の中でまた西表島の神秘さを深めてく

ホテルへ戻った。

夜もまた素敵

壁には「ホオグロヤモリ」が張り付いていた

ホテルの女性にチェックイン時

「どうしてもヤモリはお部屋に一匹はいますので、」

と申し訳なさそうに言われたけれど

僕にはいてくれた方がうれしい(笑)

だって蚊を食べてくれるしね、家守って名前の通りだと思う。

コッコッコッコッコッ. . . . . ってかわいく鳴くのもいいじゃない(笑)

こうしてムシが来るのを待ってるわけだね

ヤモリの目も神秘的

明日は満月

動物的に気持ちが高まってるのか

西表島に来ていることに興奮しているのか

とにかく素晴らしい夜だった


長い10月5日がこうして更けていきました。


続く!

KENICHI KIKUCHI "2006 SLOW TRIP Vol.021"