いつも朝焼け
2時間後の仕事を気にして走らす
誰もいない38号線
俺たちは信号にも捕まらない
JJ はサイドシート
ダッシュボードにかけている足が崩れ落ちた
重たい頭でハンドル握り
全開の窓から入る風に打たれた
潮くさい街の匂いがしみ込んでる
天下になれるこの瞬間が好きだった
身体は黙ってそれを求め続け動いた
俺たちは朝焼けに吠え続けた
あの頃
常識とか非常識とかを語られるのに
無性に腹が立ち爆発寸前だった
俺たちは誰にも捕まえられないと信じた
白樺へ抜ける武佐のT字路で
JJを放り出す勢いの右コーナー
俺は今朝も登る太陽の光がまぶしくて
アクセルをもっと強く踏み込んだ
灰色の煙を吐き続ける製紙工場の煙突
夏も暑くない冬も寒くない空も青くない
俺たちの宿命などありふれてて
ただそれを憎み朝焼けに吠えてた
夜景の良い高山の手前、奴の住む市営住宅
昔歩いたその場所をブリジストンで蹴散らした
JJを背負って玄関に放り込んだ時
仕事まであと1時間
俺たちはいつも朝焼けに吠えていた
俺たちはいつも負けていたんだ
俺たちはいつも負けていた
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